投資初心者の低リスクな運用とはー債券入門―

投資初心者の人にとっては、株価の値下がりによって資産が少なくなってしまうことが一番不安なことです。近年株式市場が盛り上がりを見せており、ニュースでもよく取り上げられています。しかし、株式の売買は利益が出ると大きいですが、元本保証の商品ではないので、損失を出すことももちろんあります。株価が下がってしまったら損をしてしまう、との不安から、なかなか株式投資を始めることができない人もいるでしょう。

物価が少しずつ上がってきた

それでは、投資をせず、低金利でも元本が保証される預貯金で運用することが、資産を守ることであるといえるのでしょうか。答えはNOです。近年はあまりにもデフレ状態が続いたため、物価の上昇を感じる機会は少なかったかもしれません。しかし、最近「トイレットペーパーが髙くなった」「いつもと同じ買い物をしているはずなのに、レジで思ったより高い金額が出てびっくり」「どうも物価が上がっている気がする」と感じたことはありませんか?

アベノミクスの目標はデフレ脱却にあり、その目的は少しずつ達成しているようにも見えます。物価が上がる→会社の売上が上がり、社員のお給料が増える→消費が活発になり、高いものでも買える→物価が上がる。。。のサイクルで景気を良くしようとしています。国民が景気は良くなったと実感できているかはさておき、物価が上がってきているのは間違いないようです。

海外との物価の違い

ここで海外との物価の差を見てみましょう。物価の違いを比べることは難しいですが、お馴染みのマクドナルドのビックマック1個の価格を比べたデータがあります。1ドル105円で換算しますと、スイスが1位で676円です。アメリカは4位の517円、フランスは5位の463円、お隣の韓国は23位の376円。日本はといいますと、31位の327円です。(出典:The Economist – Big Mac index)これだけを見ると、「外国って物価が高い」と思ってしまうのですが、実はそうではなく、海外はデフレではなかったので、過去10年15年の間、通常の状態でゆっくりと物価が上がってきたのでこのような値段になっているのです。日本がデフレ状態で物価が上がらなかったため低いだけであり、日本もデフレから脱却すれば、このようにゆっくりと物価があがっていき、10年後20年後には物価がかなり上がってしまっていることになるのです。

それなのに、資産を運用せずにそのままにしておけば、相当目減りしてしまいます。現在年金と年数十万円の貯蓄の切り崩しで1年間暮らせたとしても、10年後は様々な物やサービスの価格が上がり、同じようには暮らしていけないでしょう。

このように、現在の低金利の状態で資産を保有しているだけだと将来の備えにはなりません。少しずつで良いので、資産を増やしていくことが必要なのです。しかし、投資で資産が減るかもしれないリスクを取りたくないという人には「債券」というものがあり、おすすめです。株式に比べてあまり知られていませんが、低リスクでしっかりと利息を受け取ることができるので、是非資金の運用に取り入れていきたい金融商品です。

債券は低リスク

日本は貯蓄残高世比率が世界でも飛び抜けて高く、持っている資金を投資に回すよりも預貯金で管理する人が圧倒的に多い国です。これは世界でも珍しい例で、一般的には資産を現金預金・債券・株式の3つに分け、リスク分散しながら運用するのが一般的となっています。どうして株式と債券に分けることがリスク分散になるのかといいますと、通常は株が上がると債券は下がり、債券が上がると株が下がります。年金資金など大きな資金を動かす機関投資家や運用会社などが、株式市場が活況の時は、より多くの利益を求めて保有している債券を売って株を買い増しする動きが出ます。逆に、市場が低迷し、株が下がると、損失を最小限に抑えるために株を手放し債券を買うのです。機関投資家や投資信託の運用会社などは、集めた多額の資金を運用して利益を出すことが使命であることから、資金を貯蓄で寝かせるようなことはなく、主に株式か債券のどちらかで運用する必要があるのです。このような仕組みから、株と債券は相反する動きをし、それを利用してリスク分散へとつなげています。このように、株式と債券を組み合わせて運用することがリスクを低くする鍵です。

資産運用に債券を取り入れてみよう

株式と債券、組み合わせて運用するのがベストですが、まずは低リスクの債券から投資を初めてみましょう。

債券の発行元は国や地方自治体、株式会社などがあり、発行元が国の場合は国債、地方自治体の場合は地方債、株式会社が発行するものは社債と呼ばれます。どれも利率や満期日が決まっており、毎年決まった利率分の利子を受け取ることができます。そして、満期日には額面金額の償還金がもどってきます。一番のポイントは、発行元が倒産しない限り、満期時には必ず額面の金額が返ってくるということです。例えばA社が発行した額面100円、5年満期、利率2%の社債を100万円分買ったとしましょう。100万円買った場合、額面が100円なので、100円の債券を何枚分買ったか、というふうに考えます。この場合だと10000枚ですね。この場合、その社債を保有している5年間、毎年2万円の利息が得られ、かつ満期時には買った額100万円がそのまま戻ってくる、というのが債券の仕組みです。

額面の額で債券を買った場合は、満期まで持てば、発行元が倒産しない限りは元本保証となり、額面分の償還金がもらえるので株式に比べて格段に安全性が高い商品となっています。

利率と利回りの違いは??

債券には「利回り」という言い方があります。債券の額面は100円であり、満期時も額面100円で返ってくる、というのは(発行元が倒産しない限り)保証されているのですが、満期までの期間は値動きがあります。額面100円の債券が101円になったり、逆に99円になったりするのです。これはどういう意味でしょうか。

債券にも人気なもの、不人気なものが存在します。発行元の財務体質が良く、信用性が高い優良企業だった場合は倒産リスクが格段に少なく、皆が買いたがることから、値上がりして101円や102円になることもあるのです。逆に財務体質や将来性の面で不人気な発行元の債券は、99円は98円、90円などに値下がりするものもあります。

発行後値動きしている債券を買うことを考えてみましょう。債券価格102円、利率2%、満期まで4年残っている債券を10、000枚買ったと仮定します。債券価格102円のものを10、000枚買ったことになるので、102×10、000=102万円が購入費用となります。4年間は額面金額に対しての2%が利息なので、毎年2万円ずつ利息がもらえ、4年間で計8万円もらえます。しかし、満期時に100万円で返ってくるものを最初に102万円で買ったことから、2万円余計に費用がかかっていることになりますので、8万円―2万円=6万円が4年間で実質得た利益となります。この6万円を4年間の利息に換算すると60、000÷4=12、000円 で一年間の実質利息が12000円になり、100万円に対しての利息を計算すると1.5%となります。この実質の利息のことを「利回り」と読んでいます。つまり、購入時の購入費用から利息までをすべてトータルしたらどれくらいの利益になるか、というのをひと目でわかるようにしたのが利回りなのです。

債券は発行元が倒産しない限り、満期まで保有していれば額面金額が保証されている商品なので、大きな損失がでることはほとんどありません。もちろん、大きな利益を得ることもできないわけですが、満期まで保有するならば日々市場の状況を気にすることもなく、定期預金の運用と同じように安心して過ごすことができます。近年の預貯金金利はあまりにも低金利です。それに比べればはるかに高い利息収入が得られるため、リスクが低いが物価上対策としての効果的な資産運用につながります。債券とは資産を守りながらコツコツと地道に増やしていくのには最適な商品です。賢く資産運用に取り入れていきましょう。

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