株初心者のための資産運用~配当を目的に株を買う~

株初心者が資産運用を始めるとき、保有株式に対して毎年支給される配当金に注目して株を買う、というのもひとつの方法です。どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

日本社会は高齢化が進み、年金生活を送る人が年々増えています。老後に必要な資金は夫婦でおよそ3000万円とも4000万円とも言われていますが、実際そのような貯蓄を持ち、ゆとりを持って暮らしている高齢者は少ないのではないでしょうか。老後の不安を感じながら日々暮らしている人が多いのが実情です。

貯蓄しておくことがリスクになる時代がきた

ゆとりある生活、ゆとりある老後を過ごすために、一生懸命働いて貯めた貯蓄をいかに守り、かつ増やしていくかということが大きな課題となって立ちはだかっています。近年は異常な低金利が続いていますが、アベノミクスによるデフレ脱却で物価は少しずつ上昇してきています。このまま資産を低金利状態で貯蓄していても、物価が上がっているので、資産は目減りする一方です。今日の100万円は、10年後には一体いくらの価値があるのでしょうか。このまま物価が年に数%ほど上昇していくと、100万円の価値は相当下がってしまいます。また、日本は国の借金が多い国です。国の財政が不安定になると、もっと高い割合でインフレが進んでいく可能性もあるのです。もしも国が借金を返すことができなくなってしまい、倒産状態に陥ったときには、ものすごいインフレが襲ってきます。物価が2倍、3倍、10倍になったりもするのです。また、そのような危機的状況に陥る何年も前からかなりのインフレ率になってくることが過去のデータからわかっています。今はその気配はありませんが、一旦インフレ率が過度に上昇しだしたら、加速度的に進む可能性もあり、そうなると資産の価値は暴落してしまいます。日本は借金が異常に多い国ですから、この可能性はゼロとは言えないのです。

このように、資産をすべて貯蓄しておくということは、今の時代においては資産を守ることとは言えず、むしろリスクが大きいともいえます。物価の上昇リスクに備えるため、また低金利にしびれをきらした人達が資金運用を初めているわけですが、株式は周知のとおりリスクがある商品で、値上がりすれば利益を得ることができますが、値下がりすれば損失が出てしまう商品です。市場は様々な要因で動くため、株価や市場の動きを予想しても、その通りにはいかないことが多々あります。思い通りに値上がりしてくれない株価を日々眺めているだけでストレスがたまって精神的肉体的に辛くなってしまい、運用をやめてしまうという人もいるくらいです。それでは、どうしたらよいのでしょうか。

株を買った後は、値上がりしたら売る、というのが一般的なように思えますが、実は、高配当の株を長期保有して利益を得る、という資産運用のやり方があるのです。

資産家や大地主などは土地を多く保有しており、10億円、20億円ともなる土地の固定資産税は何百万にものぼります。何十年もそれらを払い続けるのは、いくらお金持ちでも大変です。彼らは、高配当で信頼性の高い株式を数億円単位で保有し、その配当を固定資産税などの支払いに当てているのです。億の資産を持つ人達と比べられるわけがない、と思われるかもしれませんが、基本的な仕組みは同じなのです。配当収入で固定資産税を払っていく、というのは知る人ぞ知る目からウロコの方法で、実践している人達は長期間にわたってしっかりとメリットを享受しています。

株式の配当で固定費を支払い、現金支出をゼロにする

まず、毎月の家計を考えてみましょう。生活していく上で、かならずかかるお金があります。その中でも固定資産税やマンション管理費、駐車場代などは毎月、毎年必ず支出しなければならず、かつ支出額もほぼ一定です。食費や携帯などの通信費、水道、電気、ガスなどは、毎月費用がかかりますが、努力次第では削減することが可能です。家計を預かる主婦は様々な工夫をして日々の家計を節約していますね。安売りのスーパーを回ったり、電話を控えたり、洗濯をする回数を二日に1回にする、毎日お風呂にせず、シャワーで済ませる日を作る、電気はこまめに消してまわる、暑い夏や寒い冬はできるだけ昼間は外出し、冷暖房費を抑えるなど。。。しかし、固定資産税や車両税、マンション管理費などはどうしても節約できない、減らせない支出です。そして、歳をとればとるほど、年金生活が長くなればなるほど、ボディブローのようにじわじわと家計を圧迫し、重くのしかかってくる支出なのです。

若い世代でも近年は格差が広がっており、収入が少ない家庭も増えています。しっかりとお給料をもらっている家庭でも、教育費などがかさむため余裕がある家は比較的少なく、固定費の支出は大きいものです。それにも増して年金世代は少しずつ貯蓄を崩しながら生活していくため、年月が経てば経つほど貯蓄も減っていき、どうしても減らせない固定費が負担になってくるのです。株式を長期保有して、配当を受け取り、それを固定費の捻出にあてて実際に現金を支出することなくまわしていく、これが資産運用方法のひとつであり、賢いやり方なのです。

高配当の株をチェックしよう

株式には、配当というものが存在します。保有している株式に対して、1株あたりの配当が株主総会で承認され、支給されます。例えば日産自動車をみてみましょう。2016年度は年間1株あたり48円支給するということが予定されています。100株あたり4800円もらえる計算になります。2016年6月の株価は約900円前後ですから900円として考えると、48÷900×100=約5.3%の利回りとなるのです。預貯金の0.01%などという超低金利に比べたら、かなりの高い利回りとなっています。三井住友フィナンシャルグループは1株当たり150円の支給予定なので100株あたり15000円もらえます。株価は約2900円なので150÷2900×100=5.1%の利回りとなります。ただ、支給される配当が少なかったり、無配当の会社もあるので購入する前によく調べることが必要です。また、業績悪化によって次年度は少なくなったり、また逆に配当額が多くなったりもするので、買おうと思う会社の過去数年の配当実績や、これからの業績予想なども調べた上で株を購入したほうが良いですね。

配当所得には基本的には所得税15.315%、住民税5%、合計20.315%の税金がかかってきますが、株式で損失が出た場合は損益通算して税金を払わなくてもよくなったり、NISA(少額投資非課税制度)口座で購入した購入金額120万円までの株式にかかる配当金は5年間非課税になったりという制度があるので、ここでは税金を考慮せずにざっくりとした計算をしてみます。

固定資産税が年間10万円と仮定した場合、100、000÷48=約2083株必要なので、初期投資として株価900円の時に2000株購入したとすると約180万円が必要となります。三井住友フィナンシャルグループの場合は100、000÷150=666株 100株単位の売買しかできないので、まずは600株購入したとすると 2900×600=約174万円必要です。

最初に多くの資金が必要となりますが、計画的に少しずつ買い増ししたり、まずは固定資産税などの半分をまかなうことを目標に株式を購入してもいいですね。

配当は1株あたりで支給され、株価の影響は受けない

ここでのポイントは、配当は1株あたりで支給されることです。株価は上がったり下がったりするものですから、株を購入してから保有している間に株価の上下はありますが、配当は保有株式数に対してもらえるものですから、その時の株価の上下までは影響しません。もしかしたら、株を保有している期間の中で、何か突発的な市場の動きに引きずられ、一時的に大幅に株価が値下がりすることもあるかもしれません。でも、よく考えてみてください。実際に株価を売って初めて損失となるのです。株価が300円の時に1000株買い、不幸なことに200円になってしまったとしても、それはデータ上だけのこと。売らなければ実際に損は出ません。配当をしっかりと受け取りながら、気長に値上がりするのを待てばいいのです。しかし、一つ気をつけなければならないことがあります。長期保有する株式の購入代金は、絶対に5年定期、10年定期にするような資金を使わなければいけません。現金化しなければいけないような資金を使ってしまいますと、株価が低いときにでも売らなければならない事態が起こるかもしれないからです。じっと長い間置いておけるような資金を使って株式の長期保有をし、配当を何年にもわたって受け取っていくのが賢い方法です。

NISAをうまく活用する

近年はNISA(少額投資非課税制度)の登場で、株式の長期保有に対してはかなりメリットがある仕組みとなっています。毎年購入金額120万円までの株や投資信託にかかる譲渡益や配当金が5年間非課税となります。たとえば、A社の株価1200円の株1000株買い、5年間保有したとしましょう。購入金額は120万円です。1株30円の配当とすると、5年間毎年3万円ずつもらえる配当所得がすべて非課税となります。その後、この株を5年間保有したら株価が上がり、1500円になったとします。この譲渡益1500-1200×1000=30万円もまるまる非課税になるのです。ちなみに課税された場合は20.315%の税金を収めなければならないので、5年分の配当金15万円に対しては30,472円、株式譲渡益30万円に対しては60,945円を収めなければなりません。非課税枠を使うと配当所得と譲渡益の計45万円にかかる税金がゼロになるので、かなりの節税になりおすすめです。

ただ、注意点が一つ。配当の受け取り方を指定するときに、「証券口座への入金」にすることが必要です。この証券口座での配当の受け取りは、「株式数比例配分方式」と呼ばれ、この方式だけがNISA口座で買った株を区別できるため、配当の税金がかからなくなっています。「指定した銀行口座への振込」や「郵便局での現金受け取り」にすると、税金がかかってしまうので、株式数比例配分方式に忘れずに変更しておきましょう。

このように、投資に関する資産運用は様々な方法があり、奥が深いものです。毎年配当をもらう生活を今日から初めてみませんか。きっと将来の助けとなるに違いありません。

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